本業にプラスに働く副業

いまだに公務員は原則として副業が禁止されている。一方で、副業を禁止していた大企業が解禁の動きを見せており、インターネットを通じて副業をする人が増えているのは周知のとおりである。なぜこのような動きが加速化しているのだろうか。

その一つは、副業が本業へ与える影響が無視できないからである。

事業というのは、人による力の発揮にある意味でその成否を依存している。従業員がどれだけ能力を発揮できるのかが重要であるということだ。その点、ある従業員が自社以外に他社で働くことによって別の企業のノウハウを習得することができる。例えば、印刷会社での勤務を本業とする従業員が、副業でファストフード店のアルバイトを行った場合、ファストフード店のオペレーションノウハウを自動的に習得することができる。そのオペレーションノウハウが本業で活かされれば、本業で生み出す価値が高まる可能性は高いと言える。

このように、副業によって得た知識を本業で活かすこと、あるいは、副業で得た経験によって人的な価値が高まることで本業への貢献性を高めることが事実として見られるため、大企業では副業反対から賛成の立場へと移行したものと考えることができる。

企業にとって人材の能力を高めるのはコストがかかるものである。しかし、副業を行うことを通じて人材自らが能力を高めてくれるという点で、副業はむしろ推進するという風潮が生まれてきているのである。

副業よりも複業がリスク回避になる

本業の収入が減少したから副業をするという人が増えている。物価も高騰しているし、ギリギリの生活であれば少しでも上乗せして余裕を得たいと考えるのは当然のことだろう。副業であれば本業+αの収益を得ることが可能だ。

注意が必要なのは、企業に雇用される副業の場合には、本業同様に副業収入が減る可能性が高いことだ。副業している会社の業績が悪化すれば、副業前提の雇用者は真っ先に辞めさせられる可能性が高い。また、辞めさせられるということがなくても、シフトになかなか入れず、思ったほどに稼ぐことができないということもあり得る。これは、いわゆるサイドビジネスという概念の場合にはそのようになってしまうである。

ところが副業ではなく第二の本業として自分で事業を開始した複業であれば、自分で事業をコントロールすることができるので、稼ぎは自分の能力と費やす時間に依存することになる。この点、雇われの身とは全く異なる働き方を行うことが可能である。

誰かに雇われている以上は自由になることはできず、結局はそこにぶら下がるざるを得ない。しかし、自分自身の力で事業をスタートすることができれば、本業と第二の本業という二つの軸を持つことができ、自分で収入のコントロール権限を有することになる。前提として、第二の本業をしっかりと軌道に乗せることがポイントになるが、それは今のようなインターネットが普及している現代にあってはそれほど難しいことではないだろう。しっかりと経営の勉強をすれば上手くいかせることは可能だ。

複業にとって必要な知識

一般的な副業はサイドビジネスということで、本業以外にお小遣い稼ぎを行うというイメージ。一方、複業とは複数の事業を行うという意味で、本業と同レベルで自ら事業を行うことを指す。いわば、本業+第二の本業を行うというイメージ。

複業は、自分で小さな事業を行うということなので、事業を作り、それを推進していくことが求められる。要するにビジネス全般の知識が求められるのである。

ビジネス知識というのは、本業を通じて学ぶこともでき、実際に豊富なビジネス知識を有する人も多いわけであるが、実際にはそれは「雇用者」としての知識であって、経営者としての知識にまでは到達していないことが多い。そのため、ビジネス経験が長くあっても、自分で事業を始めると上手くいかないというケースが見られることになる。

複業をスムーズに進めて行くためには、第二の本業をしっかりとした稼ぐにつなげていくためにはビジネスにおける「経営面」での知識が必須なのである。これはなかなか学ぼうとしても学ぶことができず、ほとんどのケースでは成り行きで事業をスタートしてなんとなく習得しながら進んでいくというスタイルが一般的。

最近では複業を前提とした講座のようなものも増えているので、そういったものを受講するという選択肢もポイントだ。

結局、お金を払ってでも知識を習得できるときに押さえておくことが非常に重要になるのである。

今後の創業スタンダード

新型コロナウイルス感染症の拡大によっていったんは落ち着いていた創業・起業希望者であるが、ここにきて増加しているという情報がある。新設された法人が急増しているようなので、新たなビジネスを開始する人が増加していると言える。

創業する時には、会社を辞めて、それこそ裸一貫で夢に向かって進む、というのが今までのセオリーたったが、最近ではそんなリスクを敢えてとる必要もなくなってきているのだ。

まずは副業から始めてみるという方法があるからである。

副業を解禁する起業が増え、副業自体が社会的認知度を得た今、副業しているからといって白い目で見られるということはない。むしろ、副業をすることで多様な稼ぎの軸を持つことは尊敬はされてもバカにされることはない。

副業といっても、ほぼ本業と同じことができるようになってきた。インターネットがここまで身近になってくれば、たとえば自分で製作したハンドメイド製品をネットで販売することなど難しいことでも何でもない。そして、自分で製造したハンドメイド製品が売れることで収益を得れば、それはほぼ創業しているのと同義である。あとは規模を大きくしていければ本業以上に稼ぐこともできる。

独立する前に副業で試すというのが今後のスタンダードになるのは間違いないように思える。まずは副業でやってみて、それでうまくいかなかればそのまま本業はあるわけだから、特にリスクもないわけであるし。

副業よりも複業

副業というのは、あくまでもサイドビジネスであって、本業とは別に行うという意味合いが強い。この場合、本業というのはもちろん自分が所属している会社の仕事だ。

しかしながら、サブ的仕事というニュアンスではなく、本業と同じレベル感で取り組む副業のことを「複業」と呼んでいるようだ(複業とは第二の本業)。この考え方によれは、自分にとってその仕事がどの位置付けであったとしても、顧客からすればしっかりとやってほしいということを当然に求めるわけであるから、顧客目線で見ればすべてを本業と同レベルに求められるのは当たり前である。

その結果、サブ的な仕事という考えは適切ではなく、複数の本業を持つという考え方が求められてくる。それが、複業ということ考え方であり、複数の本業を持つという意味でもあるという。

これからは複数の仕事をこなしていくことがトレンドになる可能性がある。それも、一つの本業はいわゆる会社員として組織に属することが前提となり、もう一つは自分自身がやりたいことを仕事にするということである。

インターネットの登場によって自分の好きなことややりたいこと、夢を現実に近づけてビジネスにすることが容易になってきた。これからは、ますます副業(複業)が広がっていくのは間違いなさそうである。

副業人気

最近は副業が人気だという。

その理由は、やはり給料が減少しているからだと思う。

新型コロナウイルス感染症の影響によってどの会社もたいへんな想いをしている。会社をリストラされた人も多いだろうし、残業がなくなって収入減に陥った人も少なくないはずだ。そこで、収入減少を補うために副業をする人が増えているという。

多くの会社では副業に制限を設けていたが、最近は副業を解禁している会社も増えてきているようだ。

給料が減少した分を副業で補ってほしいというような意図もあるという。このような状況では、むしろ本業での給与アップは考えない方が良いということだろうか。副業だってそんなに儲かるわけではないだろうし。

最近はさまざまな副業が登場しているようだ。インターネットサーフィンをしていても、いろいろな副業を見かける。例えば、SNSを使ったものが多いような気がしている。SNSでどのようなことをすれば収益が得られるのかは具体的にはわからないが、収益に繋げられるとのこと。

手っ取り早いのはコンビニの店員などもあると言える。週末だけであれば、引っ越し作業のアルバイトもあるし。新型コロナウイルス感染症も落ち着いている今、人手不足もあってかアルバイトの自給も上がっているので得するようにも見える。

個人的には夜間や週末に身体を動かすような労働は、体力を消耗してしまうので知的な労働で対価を得たいと考えているのだがどうだろうが。やはり、パソコン一台で高収入という広告に釣られてしまうであるが。